ボーイスカウトとは|教育理念・活動内容をわかりやすく解説!

野外で体を動かし、自然をたくさん体験しながら、元気に遊ぶ!

「我が子にはぜひそんな経験をさせてあげたい」と考えている、お父さんお母さんへ。

「ボーイスカウト」って、なんとなく「キャンプや奉仕活動をする団体」というイメージがあるけど、実際にはどんな団体なの?

制服姿のボーイスカウトの人たちを街で見かけたことはあるけど、どんな人たちが何の活動をしているの?

そんな、知っているようで実は知らない「ボーイスカウト」について、判りやすく解説します。

「一度ボーイスカウト活動を体験したいけど、どうしたらいいの?」という方は、特に必見!!

 

ボーイスカウトとは|定義と基本情報

ボーイスカウト運動は、現在、世界スカウト機構に172の国と地域が正式加盟し、5,700万人以上が活動する世界的な青少年育成団体です。

運動の目的や教育システムは世界共通で、名称も世界中で「ボーイスカウト」または「スカウト」と呼ばれています。

アメリカでは、多様性に対応し2025年2月に名称を「スカウティング・アメリカ (Scouting America)」に変更しました。

今後、各国でも同様の動きが起きるかもしれませんね。

日本では1995年に全部門への女子の加入が認められ女の子はガールスカウトだけでなくボーイスカウトでも活動が可能になりました。

 

ボーイスカウトの教育と理念

①「より良き社会人の育成」

「より良き社会人の育成」、これがボーイスカウト活動の目的です。

では、「良い社会人」とはなんでしょうか?

ボーイスカウト日本連盟の公式サイトには、以下の記載があります。

「青少年がその自発活動により、自らの健康を築き、社会に奉仕できる能力と人生に役立つ技能を体得し、かつ、誠実、勇気、自信および国際愛と人道主義を把握し、実践できるよう教育することをもって教育の目的とします。」

つまりわかりやすく言えば、

活動を通して、青少年が健康な体を作り、自主性や社会性・思いやりの心などを築き実践できる技能の体得が、ボーイスカウトの目的ということですね。

②ボーイスカウトの「ちかい」と「おきて」

ボーイスカウトには、【良き社会人】となるための「3つのちかい」「8つのおきて」があります。

「ちかい」は自分自身に対して、「おきて」は毎日の生活で。

どんなときでも「ちかい」と「おきて」の実践を基盤とした活動をしています。

スカウトのちかい

1.神(仏)と国とに誠を尽くしおきてを守ります。

1.いつも他の人々をたすけます。

1.からだを強くし心をすこやかに徳を養います。

スカウトのおきて

1.スカウトは誠実である

2.スカウトは友情にあつい

3.スカウトは礼儀正しい

4.スカウトは親切である

5.スカウトは快活である

6.スカウトは質素である

7.スカウトは勇敢である

8.スカウトは感謝の心をもつ

 

ボーイスカウトの特徴

ボーイスカウトの教育には、一貫したプログラムがあります。

「進捗制度」「班制教育」というシステムと野外活動が、ボーイスカウトの大きな特徴です。

①進捗制度

「進捗制度」には、

修得課目(必ず身につけるべき共通のもの)

選択課目(各人の趣味や得意な技能を伸ばすもの)

があります。

制服についているたくさんのワッペン、それはスカウトの頑張りの印!

さらに、規定の課目を完修すると進級章がもらえます。

②班制教育

異なる学年で少人数の班を構成する班制教育」では、

リーダー1名とそれぞれの役割を担うメンバーが共に活動することによって、指導力と責任感を養います。

スカウト同士の強い絆も、この班での活動から生まれるのでしょうね。

③野外活動

ボーイスカウトの最大のイメージでもある野外活動」は、単なる戸外でのハイキングやキャンプだけではありません。

大自然を教場として、心身を鍛え技能を習得します。天候に恵まれないこともあったり、思わぬトラブルがあったり。

そんなときこそ大自然の神秘に触れることができる、それがボーイスカウトでの野外活動の醍醐味です!

 

ボーイスカウトの世界と日本の歴史

ボーイスカウトは、1907年にイギリスでスタートした世界的な教育運動です。

創始者であるロバート・ベーデン=パウエル卿は、この年、20人の子どもたちとともにイギリスのブラウンシー島で小さなキャンプを行いました。

その体験をもとに、翌年『スカウティング フォア ボーイズ』という本を著したのが、ボーイスカウトの運動の始まりです。

その後、瞬く間に世界に活動が広まり、現在では5,700万人以上のスカウトたちが活動しています。

スカウト活動が行われていないのは、アンドラ、中国、キューバ、北朝鮮、ラオスの5か国のみ。

現在、世界スカウト機構(WOSM)には173の国と地域のスカウト組織が加盟しています。

 

日本では、1922年4月13日「少年団日本連盟」が結成されたのが始まりです。

翌年1923年に発生した関東大震災では、全国のスカウト達も奉仕活動を行いました。

その後、終戦により一度は解体となり、しばらくはGHQより再建を許可されない時期もありましたが、1950年7月1日、正式に復帰承認されました。

そして今では、日本には団と言われる活動母体がおよそ1,700あり、約8万人が活動しています。

 

ボーイスカウト関係の著名人

これだけ大きな組織であるだけに、歴史上から現代まで、様々な人たちがボーイスカウトに関わっています。

ほんの一部の方々ですが、ご紹介しますね。えっ、この人が?!と思う有名人もいるかも?

 

乃木希典:

日露戦争の英雄として有名な乃木希典大将は、スカウト運動に関心を持ち、2022年にロンドンにてボーイスカウトの集会を視察し、ベーデン=パウエル卿と会見しています。

その翌年1912年のベーデン=パウエルの日本訪問により、日本各地で「少年団」が発足しました。

こんな記事がありましたので、紹介しますね。

https://discoverjapan-web.com/article/61329(Discover Japanサイトより)

 

後藤新平

日本連盟の初代総長。

医師、官僚・政治家である後藤新平は、台湾統治や内務大臣として関東大震災の復興に大きな功績を残したことなどで有名な人物です。

東京放送局(のちの日本放送協会)初代総裁でもあり、東京都港区にある「NHK放送博物館」には、後藤新平の像が展示されているんですよ。

https://www.nhk.or.jp/museum/(NHK放送博物館公式サイト)

 

山田耕筰:

「あかとんぼ」「待ちぼうけ」などの作曲者として知られる山田耕筰。

童謡だけではなく、管弦楽曲や大学校歌、自治体歌など多数の楽曲を創作しました。

そして実は、スカウト行事のたびに必ず歌われる連盟歌『花は薫るよ』も、山田耕筰の作曲なんですよ。山田耕筰は、のちに第4代総長となった三島通陽と親交があったそうです。

https://youtu.be/FIuADuVxLao?si=jOdhOi4Mabt7jR-O

(公益財団法人ボーイスカウト日本連盟公式チャンネルより『花はかおるよ(連盟歌)』歌入り)

 

野口聡一:

宇宙飛行士の野口聡一さんは「ボーイスカウトアンバサダー」としても活躍しています。

野口さんは、小学生のころからスカウト活動を行っていたとのこと。

何と、ボーイスカウト日本連盟100周年記念ワッペンは、野口さんと共に宇宙飛行をしたのだそうです!

https://www.scout.or.jp/member/scout-noguchi2020-2021

(公益財団法人ボーイスカウト日本連盟公式より ボーイスカウト・アンバサダー野口聡一宇宙飛行士 無事地球へ帰還!)

 

宮川大輔:

人気お笑いタレントの「お祭り男」宮川さんもボーイスカウトアンバサダーの一人です。

こんな動画もありました。

https://youtu.be/nODvyj1TE00?si=4GBKGQFyyNWWY7WQ

(公益財団法人ボーイスカウト日本連盟公式チャンネルより ボーイスカウトのご案内【宮川大輔さん編】

 

海外では、

ビル・ゲイツ(実業家)やスティーヴン・スピルバーグ(映画監督)、ポール・マッカートニー(ミュージシャン)、ウォルト・ディズニー(米ディズニー創業者)などが、ボーイスカウト出身者として有名です。

 

ボーイスカウトの入会方法と費用

① 日本連盟の公式サイトから、お住まいの地域にある団を探す

「ボーイスカウトに入隊してみたい!」と思ったら、まずは近隣の団を探してみましょう。

Secure.sakura.ad.jp/menu/top/

こちらから、活動している組織を地域ごとに確認することができます。

それぞれの団の公式ホームページやSNSがある場合は、そのリンクが掲載されているので、そちらも見てみると、より多くの情報が得られます。

また、ボーイスカウトには、宗教団地域団がありますので、そちらも確認してみてください。

「宗教団」は、お寺・教会・神社などの宗教団体を拠点に活動している団です。

行事や奉仕など、拠点の団体の活動にも参加します。ただ、その宗教に勧誘されることはありませんので、どうぞご安心を。逆に信仰している宗教がある場合は、そちらを選ぶと良いと思います。

なお、「地域団」は宗教組織とは関わりなく、その地域を中心に活動している団です。

 

②体験入隊に参加しよう!

「百聞は一見に如かず」

隊や団の雰囲気、指導者はどんな人?など各団の特徴は、実際に一緒にプログラムに参加しながら感じるのが一番です。

おすすめは、1つに絞らず、2つ以上の隊に参加してみること!比較することで、お子さんにぴったりの団を選びやすくなります。

もちろん基本的には、お住まいの地域から近い方が通いやすいですが、ボーイスカウトは野外活動や社会活動など、活動場所は一か所ではありません。

ですので、自宅からの距離だけで決めてしまわないことも重要なポイント。

 

③活動にかかる費用は?

ボーイスカウトは営利団体ではありません。指導者もボランティアです。

必要は費用は主に以下の通り。

 ・連盟への登録料(毎年)

 ・保険への加入料(毎年)

 ・制服や装備等の費用

 ・活動に必要な実費

徴収方法は団により様々ですが、だいたい年間で3~5万円程度のようです。

キャンプなどは別途費用がかかることが多いので、気になるようであれば直接訊いてみてください。

制服などの価格は、こちらでご確認を。

「SCOUT SHOP JAPAN」 https://www.scoutshop.jp/

 

まとめ|ボーイスカウトで子どもが得られる経験

「ボーイスカウトとは何か?」

それは、子どもたちが自然の中でさまざまな体験を通じて、協力やリーダーシップ、思いやりの心を育むための団体ということを、お伝えさせていただきました。

子どもたちが自然の中で遊びながら、自立心協調性責任感を身につけることができます。また、向上心奉仕の精神も育まれます。

さらに、子どもたちが自信友達との絆を深めることも、期待できるのではないでしょうか。

最後に、この記事でご紹介した内容をとても分かりやすく説明した動画がありますのでご案内しますね! ※「最初からこれ観ればいいだけじゃん!」って言わないで…

https://youtu.be/eQg1lzFrggY?si=RigzTM3pWr3-225p

(公益財団法人ボーイスカウト日本連盟公式チャンネルより ボーイスカウト物語 -The story of scouting-)

 

では、お読みいただきありがとうございました!弥栄!!

 

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